アイスミルクとは？体に悪い？太る？カロリーや糖質もチェック！

アイスミルクについての情報を調べると、以下のような説明をしているサイトが見受けられます。

✓高カロリー、高糖質で太る
✓食品添加物が多くて体に悪い
✓トランス脂肪酸が多くて体に悪い

だから、アイスクリームの方が体に良くてアイスミルクは害のある食べ物だ。

完全に否定するつもりはありませんが、不親切で偏った考え方だなと感じてしまいます。

「アイスミルクは素晴らしいから食べた方が良い！」

こんなふうにアイスミルクをゴリ推しするつもりはありません＾＾；

皆さんにお伝えしたいのは、”偏った考え方で、美味しい食べ物を害だと決めつけないで欲しい”ということです。

本記事では、栄養成分や数値をしっかりと考えたうえでアイスミルクを評価していきます。

もちろん、食べるか食べないかを決めるのは読者のみなさまですので、その判断に役立てて頂ければ幸いです＾＾

アイスミルクとは？アイスクリームの違いは？

	無脂乳固形分	乳脂肪分
アイスクリーム	15%以上	8%以上
アイスミルク	10％以上	3%以上

▼無脂乳固形分と乳脂肪分について

牛乳の成分のうち、水分を除いた成分を「乳固形分」と言います。乳固形分から乳脂肪分を除いたものが「無脂乳固形分」です。

glico.com

無脂乳固形分と乳脂肪分が高いほど、たくさんの牛乳が原料として使用されているということであり、味わいは濃厚、価格的には高くなります。

アイスミルクはアイスクリームよりも無脂乳固形分と乳脂肪分が低くなっています。

このため、さっぱりとした味わいを売りにしている商品もありますが、

アイスクリームのようなのコクを出すために、植物性油を混ぜている商品も多数あります。

この植物性油の使用が、アイスミルクが体に悪いと言われている１つの要因となっています。

アイスミルクは体に悪い？太りやすいの？

冒頭で話に出した以下の３点について、解説していきます。

✓高カロリー、高糖質で太る？
✓食品添加物が多くて体に悪い？
✓トランス脂肪酸が多くて体に悪い？

アイスミルクは高カロリー、高糖質で太る？

以下は、アイスクリーム・アイスミルク100g当たりのカロリー、炭水化物（糖質）の比較です。

（※）炭水化物＝糖質+食物繊維 ですが、アイスに含まれる食物繊維は0ですので、炭水化物＝糖質と考えて問題ありません。

	カロリー	炭水化物 （糖質）
アイスクリーム	180kcal	23.2g
アイスミルク	167kcal	23.9g

上の数値は、アイスクリーム・アイスミルクの一般的な数値ですので、商品によってバラツキがあることはご理解ください。

まずカロリーに関しては、アイスクリームよりも低くなっています。
（と言うよりかは、そこまで大きくは変わりません。）

ですので、一概にアイスミルクはカロリーが高いから、アイスクリームより太る！と言うのはおかしいです。

次に炭水化物（糖質）についてです。

アイスクリームよりも100gあたり0.7g多くなっていますが、これは気にするほど多いのでしょうか？

消費者庁の資料によると、炭水化物の1日当たりの摂取基準量は320gとされています。

320g摂取する中の0.7gは誤差ですよね。

つまり、アイスクリームと比較してアイスミルクは高糖質で体に悪いと言うのもおかしな話です。

（※参考）消費者庁資料：
https://www.cao.go.jp/consumer/history/03/kabusoshiki/syokuhinhyouji/doc/141015_shiryou5_1.pdf

アイスミルクは添加物が多くて体に悪い？

結論から言いますと、添加物の量が多い・少ないなんてことはハッキリと分からないので、

アイスミルク＝添加物が多くて体に悪いと言うのは何の根拠もありません。

下は、アイスクリームとアイスミルクの成分表の一例です。

スラッシュ（／）以降が添加物を示します。


▼アイスクリームの成分表の一例

▼アイスミルクの成分表の一例

これを見て、「アイスミルクの方が添加物が多い！」とは言えないと思います。

どんな添加物が入っているかは分かっても、どの程度の量が入っているかは表示されていないからです。

なので、アイスクリームよりもアイスミルクの方が添加物が多くて体に悪い、と断言するのはおかしいと思います。

ちなみに、食品衛生法によって使用できる添加物の種類や量は定められていますので、

度を超えた添加物が入っているようなことは考えられません。

（※参考）厚生労働省：
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuten/qa_shohisya.html

アイスミルクはトランス脂肪酸が多くて体に悪い？

繰り返しになりますが、アイスミルクはアイスクリームのようなのコクを出すために、植物性油を混ぜることがあります。

この場合、心筋梗塞や肥満、アレルギー性疾患を増加させる可能性がある物質として知られている、”トランス脂肪酸”の量も同時に増えます。

トランス脂肪酸は、健康のために1日の摂取目安量が設定されている成分です。

1日の摂取目安量は、総エネルギー摂取量の1％未満（平均的な日本人で約2g未満）とされています。

ここでは、以下の内容をご紹介していきます。

・アイスミルクにどれくらいのトランス脂肪酸が含まれるのか？

・その量は健康に害を及ぼすほどの量なのか？

アイスミルクに含まれるトランス脂肪酸について

アイスミルクに植物性油が含まれている場合は、全体の5%程度であることが多いです。

（例）市販品のアイスミルク
チョコモナカジャンボ：5％
ザ・クレープ：5％
ジャイアントコーン：5％
パリパリバー：4％


アイスミルク100gあたりに含まれる植物性油の量は5g。

農林水産省が公開している資料^（※）によれば、

植物性油100gあたりに含まれるトランス脂肪酸の量は0.91g。

つまり、アイスミルク100gあたりに含まれるトランス脂肪酸の量は、0.05g未満であることが分かります。

（※）参考文献：https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/t_kihon/content/h2627_transfat.html

市販のアイスミルクの容量は100～150g程度のものが多いです。

この場合、１個に含まれるトランス脂肪酸は、0.08g未満だと考えられます。

ここで先ほどの復習もかねて。


●トランス脂肪酸の摂取目安量：2.0g未満

●トランス脂肪酸摂取量の平均：約0.6g

●アイスミルク１つのトランス脂肪酸：0.08g未満


何が言いたいかというと、アイスミルクを１つ食べた程度で、トランス脂肪酸を摂りすぎる可能性は極めて低いということです。

他の食品に含まれるトランス脂肪酸について

他の食品に含まれるトランス脂肪酸についても、いくつか例を挙げてみます。

・シュークリーム（１個：75gで計算）
→ 含まれるトランス脂肪酸は、約0.14g

・クロワッサン（１個：40gで計算）
→ 含まれるトランス脂肪酸は、約0.21g

・コロッケ（１個：60gで計算）
→ 含まれるトランス脂肪酸は、約0.16g

・アイスミルク（１つ：150gで計算）
→ 含まれるトランス脂肪酸は、0.08g未満

（※）参考文献：https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/t_kihon/content/h2627_transfat.html


また、以下は外食一回当たりのトランス脂肪酸含量のデータです。

ピザ	約 1.1g
ハンバーガー	約 0.7g
洋食	約 0.8g
和食	約 0.3g
中華	約 0.3g

アイスミルクはトランス脂肪酸が多くて健康に悪い！害だ！と言って食べない人は、

外食はしないのでしょうか？コロッケやクロワッサンなどのパンも食べないのでしょうか？

そんな人は少ないと思います・・・

体に悪そうなものを徹底的にカットしたいのであれば、それは間違いではありません。

ただ、アイスミルクに対して異常に過敏になるのは、何かおかしいと思ってしまいます。

【まとめ】アイスミルクは突出して体に悪いわけではない

ここまで、アイスミルクは体に悪いのか？ということについてお話させていただきました。

アイスクリームと比較して、トランス脂肪酸が多いことは間違いありません。

ただし、他の食品とも比較しながら考えると、特別体に悪いものではないことがお分かり頂けたと思います。

たまに食べる程度であれば、健康に大きな悪影響を及ぼす可能性は低いと考えられます。

そもそも、１回食べただけで体にダメージがあるような食品が、平然と販売されているとは考えにくいです＾＾；

今回はアイスミルクをピックアップしましたが、他の食材についても同様です。

ある狭いジャンルの中だけで判断するのではなく、食べ物全体の中で見てどれくらい体に悪いのか？

皆さんにはそのように考えて、食べる食べないの判断をして頂きたいです。

そうしないと、美味しいものを食べるチャンスを自らの手で摘んでしまうことになりかねません・・・

少し手間はかかりますが、ネット情報だけを鵜呑みにせず、正しい情報を仕入れるように心がけたいですね＾＾