ラクトアイスは体に悪い!やばい!は本当?トランス脂肪酸量の比較や危険性を解説

「ラクトアイスは体に悪い」
「ラクトアイスは偽物」
「ラクトアイスはやばい」

「ラクトアイスはプラスチックと同じ」
「ラクトアイスはトランス脂肪酸が・・・添加物が・・・」



ラクトアイスについての情報を集めようとすると、このような内容の記事が山ほど見つかります。

確かに、ラクトアイスの成分は”本物のアイスクリーム”と比較すると良くないことが分かりますので、上記のような記事を全否定する気はありません。

しかし、”本物のアイスクリーム”と比較して良くない、というだけでラクトアイスが絶対的に悪い食品だと決めつけるのはどうかと思います。

一面だけを見て、それが悪いと決めつけているようなものです・・・

それを安易に信じてしまうことは、ラクトアイスだけにとどまらず、”食の楽しみ”の幅をいたずらに狭めることになりかねません。


本記事では、ラクトアイスが体に悪いと言われている理由や、結局のところ大丈夫なの?ということについて解説していきますが、

アイスクリームの中だけで考えるのではなく、他の食品との比較もおこない、総合的にラクトアイスを評価していきます。

最終的に食べるか食べないかを決めるのは読者のみなさまですので、その判断に役立てて頂ければ幸いです^^

ラクトアイスとアイスクリームの違いは?

無脂乳固形分乳脂肪分
アイスクリーム15%以上8%以上
ラクトアイス3%以上規格なし


▼無脂乳固形分と乳脂肪分について

牛乳の成分のうち、水分を除いた成分を「乳固形分」と言います。乳固形分から乳脂肪分を除いたものが「無脂乳固形分」です。

glico.com


無脂乳固形分と乳脂肪分が高いほど、たくさんの牛乳が原料として使用されているということであり、価格的には高くなります。

ラクトアイスは、”価格を下げる” かつ ”アイスクリームのなめらかな食感を維持する”ことを目的として、牛乳の代わりに植物性油を使用しています。

この植物性油の使用が、ラクトアイスが体に悪いと言われている大きな要因です。

ラクトアイスは本当に体に悪い?やばいの?

「ラクトアイスは体に悪い。恐ろしい危険性がある。」

などと言われるのは、前の章でご説明した植物性油に含まれる”トランス脂肪酸”が大きな要因です。

トランス脂肪酸の過剰摂取は、心筋梗塞、肥満やアレルギー性疾患を増加させる可能性がある物質として知られており、

健康のために、1日の摂取目安量が設定されている成分です。

1日の摂取目安量は、総エネルギー摂取量の1%未満(平均的な日本人で約2g未満)とされています。

国の調査によると、日本人のトランス脂肪酸摂取量の平均は、総エネルギー摂取量の約0.3%程度という結果が出ています。

つまり、多少トランス脂肪酸を含んだ食品を食べたところで、

1日の摂取目安量(総エネルギー摂取量の1%)を超える可能性はかなり低いのです。

参考文献:https://www.fsc.go.jp/sonota/trans_fat/iinkai422_trans-sibosan_hyoka.pdf

アイスクリームとラクトアイスを比較

トランス脂肪酸摂取の観点でアイスクリームとラクトアイスを比較すると、

植物性油が使用されているラクトアイスの方が当然トランス脂肪酸の摂取量も多くなります。

ですので、”アイスクリームよりラクトアイスの方が体に悪い成分が多く含まれている”というのは事実です。

それでは、体に良くないトランス脂肪酸はどれくらい含まれているのでしょうか?

ラクトアイスには、全体の10%前後の植物性油が含まれている場合が多いです。


仮に10%の植物性油が含まれていると考えて計算してみましょう。

ラクトアイス100gあたりに含まれる植物性油の量は10g。

農林水産省が公開している資料(※)によれば、

植物性油100gあたりに含まれるトランス脂肪酸の量は0.91g。

つまり、ラクトアイス100gあたりに含まれるトランス脂肪酸の量は、0.091gくらいであると分かります。

(※)参考文献:https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/t_kihon/content/h2627_transfat.html


市販のカップ入りラクトアイスの容量は200ml(グラムに換算すると200g未満になります)程度のものが多いです。

この場合、1カップに含まれるトランス脂肪酸は、おおよそ0.18g未満となります。

ここで先ほどの復習もかねて。


●トランス脂肪酸の摂取目安量:2.0g未満

●トランス脂肪酸摂取量の平均:約0.6g

●ラクトアイス1カップのトランス脂肪酸:0.18g未満



何が言いたいかというと、ラクトアイスを1カップ食べた程度で、トランス脂肪酸を摂りすぎる可能性は極めて低いということです。

他の食品とラクトアイスを比較

以下に、食品に含まれるトランス脂肪酸を示します。

・シュークリーム(1個:75gで計算)
→ 含まれるトランス脂肪酸は、約0.14g

・クロワッサン(1個:40gで計算)
→ 含まれるトランス脂肪酸は、約0.21g

・ラクトアイス(1カップ:200gで計算)
→ 含まれるトランス脂肪酸は、約0.18g

(※)参考文献:https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/t_kihon/content/h2627_transfat.html


普段何気なく食べるようなシュークリームやクロワッサンにも、ラクトアイスと同程度のトランス脂肪酸が含まれるのです。

こう考えると、ラクトアイスだけを「体に悪い!やばい!」と言うのは、どこかおかしいように感じませんか??


さらに、国の食品安全委員会の調査では、外食食品中のトランス脂肪酸の含有量も公開されています。

▼外食一回当たりのトランス脂肪酸含量

ピザ約 1.1g
ハンバーガー約 0.7g
洋食約 0.8g
和食約 0.3g
中華約 0.3g
参考:https://www.fsc.go.jp/sonota/trans_fat/iinkai422_trans-sibosan_hyoka.pdf


「ラクトアイスがやばい、危ない」と言うのであれば、外食するのはもっと危険です^^;

でも、そんなことばかり言っていては、食べるものが極端に制限されていくと思います・・・

もちろん健康を意識して、体に悪そうなものを徹底的にカットしたいのであれば、それも間違いではありません。

ただ、そこまで健康志向の高くない人が、ラクトアイスだけを過剰に危険視するのはどうかなと個人的には思ってしまいます。

【まとめ】ラクトアイスだけを過剰に危険視するのは間違い

ここまで、ラクトアイスは体に悪いのか?ということについてお話させていただきました。

アイスクリームというジャンルの中だけで考えると、体に悪い部類であることは間違いありません。

ただし、食品全体で考えると、特別体に悪くてやばいものではないのがお分かり頂けたと思います。

たまに食べる程度であれば、健康に大きな悪影響を及ぼす可能性は低いと考えられます。

そもそも、1回食べただけで体にダメージがあるような食品が、長年にわたって販売されているとは考えにくいです^^;


今回はラクトアイスをピックアップしましたが、他の食材についても同様です。

ある狭いジャンルの中だけで判断するのではなく、食べ物全体の中でどれくらい体に悪いのか?

皆さんにはそのように考えて、食べるか食べないかの判断をして頂きたいです。

そうしないと、美味しいものを食べるチャンスを自らの手で摘んでしまうことになりかねません・・・

少し面倒ではあるかもしれませんが、ネット情報だけを鵜呑みにせず、正しい情報を仕入れるように心がけたいですね^^

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