ドーナツは体に悪い!太る!はホント?トランス脂肪酸、カロリー面も解説!

「ドーナツは体に悪い!」
「トランス脂肪酸が危険!」
「添加物が危険!」
「絶対食べない方が良い!」

ネットで検索すると、ドーナツをとびきり悪い食べ物として危険視するような記事が結構見当たります。


しかし、

他の食品よりも群を抜いて悪いのか?
たまに食べるだけでもダメなのか?

このあたりをしっかりと理解して納得していますか?

単にネットで体に悪いと言われているから、という理由で毛嫌いするのはどうなの・・・?と思います。

私はドーナツを否定する気も擁護する気もありません。

ただ、極端すぎる解釈を鵜呑みにすることには疑問があるのです。

皆さんが正しい知識を取り入れて、食べるか食べないかの判断をする手助けができれば嬉しいです^^

狭い目で見て食べ物を敬遠するのではなく、総合的な意味で理解して判断する目を養っていきましょう!

ドーナツは体に悪い?

ドーナツにはトランス脂肪酸が多く含まれる?

トランス脂肪酸”は、心筋梗塞や肥満、アレルギー性疾患を増加させる可能性がある物質として知られている物質で、

健康のために1日の摂取目安量が設定されている成分です。

1日の摂取目安量は、総エネルギー摂取量の1%未満(平均的な日本人で約2g未満)とされています。

国の調査によると、日本人のトランス脂肪酸摂取量の平均は、総エネルギー摂取量の約0.3%程度という結果が出ています。

つまり、多少トランス脂肪酸を含んだ食品を食べたところで、

1日の摂取目安量(総エネルギー摂取量の1%)を超える可能性はかなり低いのです。

参考文献:https://www.fsc.go.jp/sonota/trans_fat/iinkai422_trans-sibosan_hyoka.pdf


農林水産省の資料によると、ドーナツに含まれるトランス脂肪酸の量は100g当たり0.3g(※)です。

ドーナツ1つあたりの重さは、大体60~100g程度なので、

大き目のドーナツを食べたとしても、トランス脂肪酸の摂取量は0.3gくらいになります。

(※)参考:https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/t_kihon/content/h2627_transfat.html


他の食品についてもいくつか例を出します。

・シュークリーム(1個:75gで計算)
→ 含まれるトランス脂肪酸は、約0.14g

・クロワッサン(1個:40gで計算)
→ 含まれるトランス脂肪酸は、約0.21g

・コロッケ(1個:60gで計算)
→ 含まれるトランス脂肪酸は、約0.16g

数値だけを見ると、他の食品よりもトランス脂肪酸がたくさん含まれていることは事実です。


ただし、先ほどの摂取量目安(1日2g未満)をふまえて考えると、ドーナツを1つ食べたからと言って、

トランス脂肪酸の過剰摂取になる危険性は極めて低い
と言えます。


プラスの参考として、外食一回当たりのトランス脂肪酸含量のデータを以下に示します。

ピザ約 1.1g
ハンバーガー約 0.7g
洋食約 0.8g
和食約 0.3g
中華約 0.3g
参考:https://www.fsc.go.jp/sonota/trans_fat/iinkai422_trans-sibosan_hyoka.pdf


「ドーナツはトランス脂肪酸が多いから食べたらダメ!」

と言うのであれば、外食にも行けなくなってしまいますね^^;

ドーナツには食品添加物が多く含まれる?

結論から言いますと、ドーナツを含めたお菓子やジュースには、

他の食品に比べて添加物が多い傾向にあることは事実だと思います。

ただし、食品衛生法によって使用できる添加物の種類や量は定められていますので、

度を超えた添加物が入っているようなことは考えられません。

つまり、1つ食べるだけで健康被害が出るようなことは、まずあり得ないということです。

(※参考)厚生労働省:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuten/qa_shohisya.html


しかも、ネットで「ドーナツは添加物が多い!危ない!」と不安を煽っている人は、

ドーナツに含まれている添加物の詳細な量など恐らく把握していません。

なぜなら、食品の成分表には添加物の量は明記されていないからです。

身の回りにあるお菓子の袋などを見て頂けると分かりますが、

添加物名が記載されているだけで、添加物の量は記載されていません。


以上のことから、1日に大量のドーナツを食べたり、毎日食べるようなことをせず

たまに楽しむ程度であればそれほど大きな問題にはならないと考えます。

どうしてもドーナツを悪者扱いしたいのであれば、お菓子やジュース、ハムやソーセージ、コンビニの食べ物など

添加物が多く含まれるとされる食品も徹底的にカットするのが筋だと思います!

ドーナツには白砂糖が多く含まれる?

ドーナツが体に悪い!と言われる理由の1つに、

「白砂糖が多く含まれている」ということもよく挙げられています。

まずは、1日にどれくらいの量の砂糖を摂取しても良いのか?そこを確認しましょう。

WHOの発表によると、糖類の摂取量をエネルギー総摂取量の10%未満(50g未満)に減らすよう勧められており、

一日25g程度に抑えると、さらに健康効果が増大する
と言われています(※)

(※)参考:世界保健機関(WHO)、ガイドライン「成人及び児童の糖類摂取量」


次に確認するのは、ドーナツに含まれる砂糖の量です。

ドーナツの種類によってバラツキはありますが、おおよその目安は20g前後(※)です。

ドーナツを1日に2個、3個と食べてしまうと、摂取量の目安を簡単に超えてしまうことが分かります。

(※)参考:https://www.nishi.or.jp/kenko/hokenjojoho/kenkozukuri/kenkouzukuri/20200616shokuji.files/SP2.pdf


ですので、毎日ドーナツを2個、3個習慣的に食べることは、健康を害することに繋がりそうだということが分かります。

だからと言って、「ドーナツは健康に悪いから、絶対に食べない方が良い!」と言うのは極端すぎると思います・・・

数か月に1回程度ドーナツを楽しむことも控えるべきなのでしょうか?

「1日たりとも糖類を過剰に摂取したくない!」

と言うのであれば、食べないことをおすすめします。

ただし、そうなれば他のお菓子やジュース類も制限しなければならなくなります。

お菓子やジュース類に含まれる砂糖の量の例を出してみましょう。

お菓子類
ドーナツ:21.2g
板チョコ:21.3g
バニラアイス:13.5g
あんぱん:19.5g
デニッシュパン:24.3g
ホットケーキ:22g
ショーケーキ:24g

ジュース類
りんごジュース:16.4g
フレーバー水:24g
スポーツドリンク:31g
コーラ:56.5g
バニラシェイク:45g

(※)参考:https://www.nishi.or.jp/kenko/hokenjojoho/kenkozukuri/kenkouzukuri/20200616shokuji.files/SP2.pdf


ドーナツと同等もしくは、それ以上にたくさんの砂糖が含まれるものも多いです。

「こんなに含まれているなら、お菓子もジュースも今後食べないようにしよう!」

としても良いとは思いますが、ちょっとしんどくないですか・・・?

「ドーナツは食べても1日1つにしよう」
「毎日は良くないから、たまに楽しもう」
「何気なく買うジュースの頻度を減らそう」
「ジュースとお菓子の組み合わせは、砂糖の摂りすぎになるから控えよう」

個人的には、これぐらいの距離感で付き合うのが良いのかなと感じます!

ドーナツは太る?

ドーナツが太ると言われる理由は、以下の2点だと思います。

●脂質が多い
●糖質が多い


それぞれについて解説していきます。

太る理由①.脂質が多い

これはイメージしやすいと思いますが、脂質は他の栄養素(タンパク質、糖質)と比較して

重量当たりのカロリーが高く、カロリー過多を引き起こしやすくなります。

下の表は、100g当たりの脂質の量を比較したものになります。

食品名100g当たりの脂質(g)
ドーナツ20.4
ショートケーキ14.0
サブレ16.6
ミルクチョコレート34.0
ポテトチップス35.2
かりんとう11.8
どら焼き2.6
参考:日本食品成分表


まず言えるのは、基本的に和菓子よりも洋菓子の方が脂質は多いということ。

ドーナツは、スナック菓子やチョコレートと比較すると低いものの、

ケーキやサブレなどの洋菓子の中では脂質が高い食べ物だと分かります。

食べ過ぎには要注意です。

太る理由②.糖質が多い

糖質は小麦粉や砂糖など、ドーナツの主成分となる食材にたくさん含まれています。

「糖質が多いこと」と「太ること」にはどのような関係があるのでしょうか?


まず、糖質は種類によって血液に取り込まれやすいもの、取り込まれにくいものがあります。

血液に取り込まれやすい糖質を持つ食品は、小麦粉を使用したパンやうどん、白米などがあり、ドーナツもここに含まれます。

逆に、蕎麦や玄米、全粒粉パンなどは、血液に取り込まれにくい糖質を持つ食品です。


次にお話しするのは、糖質が血液に取り込まれやすいことで何が問題になるのか?ということです。

糖質が血液にたくさん取り込まれると、血糖値が急上昇します。

この時、上がり過ぎた血糖値を下げるため、血糖値を急激に下げる機能が体の中で働きます。

血糖値が急激に下がることによって、人間は空腹感を感じます。

つまり、食べているはずなのに、少し時間が経てばまた強い空腹感を感じてしまう状態になるのです。

その結果、食べる量が増えてしまう・・・

これが、「糖質が多いこと」と「太ること」の関係です。


ドーナツには、どれくらい血糖値を上昇させる力があるのでしょうか?

以下の表は、食後の血糖値の上昇を示す指標”GI値”の数値です。

70以上で”高GI食品”と呼ばれ、血糖値を上昇させやすい食品と言われています。

ドーナツは75なので、高GI食品に相当しますね^^;

食品名GI値
ドーナツ75
チョコケーキ87
クッキー67
チョコレート43
ポテトチップス54
ヨーグルト36
参考:https://tou-sapo.com/after-five/9159/


ここまでの説明でお分かりいただけると思いますが、「糖質が多い = 太る」という直接的な関係があるわけではありません。

「糖質が多い → 食べても空腹感を感じやすい → 食べ過ぎる → 太る」

という間接的な理由で太りやすくなる
ということです。


■最後に
以上、ドーナツは体に悪いのか?太るのか?という内容について解説させていただきました。

大した理由もなく、美味しいものを拒絶することは本当に勿体無いことだと思います・・・

冒頭でもお伝えしましたが、狭い目で見て食べ物を敬遠するのではなく、

総合的な意味で理解して判断する目を養っていけると良いですね^^

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